【スノーボード】長澤颯飛選手のインタビュー記事を公開しました
- 2018/12/13
- インタビュー
理想のスノーボーダーになるために。目標に向かい、自信を積み上げる
4歳からスノーボードを始め、史上最年少でプロ昇格を果たした長澤颯飛(はやと)選手。オリンピック正式種目となったスロープスタイルとビッグエアの将来有望なスノーボーダーです。
現在、2022年の北京冬季オリンピック出場を目指す颯飛選手に、普段の練習方法やアスリートとしての意識の持ち方、理想の選手像などを伺いました。
颯飛選手を陰ながらフォローするお母さんへのインタビューも必見です。
4歳のある日、雪の中を高くジャンプするスノーボードに魅せられた
――スノーボードをはじめたきっかけは何ですか?
颯飛選手:僕が4歳のとき、旅行帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、たまたま雪の降る新潟に一泊することになったのがきっかけです。元々父が趣味でスノーボードをやっていて、「この機会に一度やってみよう」と僕にやらせてくれたんです。
僕自身は覚えていないのですが、すごく楽しんだみたいで。それから週末になるとスキー場に行くようになり、どんどんスノーボードにのめり込んでいきました。
――ビッグエアとスロープスタイルの魅力はそれぞれどんなところですか?
颯飛選手:ビッグエアは大きなジャンプ台を使用する一発勝負。プレイする側も観る側も、テンションを上げてドキドキしながら楽しめる種目です。
スロープスタイルはビッグエアとは対照的に、レールやボックスなどの「ジブセクションと「ジャンプセクション」それぞれで自由に滑れるのが魅力です。僕は4歳でスノーボードを始めたときからジャンプの練習ばかりしていて、ふわっと飛んだときの浮遊感が大好きだったので、単純にプレイしていて楽しいですね。飛んでいる間は、夢を見ているような心地になるんです。
――普段の練習やトレーニング方法、自分を高めるためのコツについて教えてください。
颯飛選手:学校の部活で週3回、地域の練習場ではほぼ毎日練習していて、基本的にひたすらジャンプ練習の繰り返しです。学校にジムもあるので、筋トレをする日はジャンプに重要な足腰と腹筋を重点的に鍛えています。
練習で意識しているのは、本番で高い集中力を発揮できるように1回1回のジャンプを大切にすること。失敗が多いときは、「ミスをした」と認識した場面の一つ前の動きを改善してみたり、一旦違う技をやって調子を戻してからもう一度取り組むなど、視点を変えながら工夫しています。高校に入ってからは、世界のトップを目指す選手が常に周りにいるので、お互いにアドバイスしあえるのが嬉しいです。
頭の中はスノーボード一色! 「どうありたいか」を追求し続ける
――アスリートとして普段意識していることや、気をつけていることはどんなことですか?
颯飛選手:常にスノーボードのことを考えています。例えば、スマホをボードに見立てて気づいたら手でくるくる回していたり、道を歩いているときにジャンプの動きをしてしまったり……。
練習以外の時間も、イメージトレーニングをしている感じです。海外選手がインスタグラムにアップしているジャンプの動画もよくチェックしていて、かっこいいと思ったものはすぐに練習に取り入れるようにしています。
食生活については、ジュース(清涼飲料)は飲まないことを徹底しています。スナック菓子やインスタント食品も極力食べません。「アスリートとしてプラスになることをする」ということが、自信にもつながっている気がします。
――2022年の北京オリンピック出場を目指して、現在はどのようにスノーボードに取り組んでいますか?
颯飛選手:自分が何を意識しなければいけないのか、直近の目標は何なのかを常に念頭に置くようにしています。オリンピックの1年前のワールドカップに参戦するために、さらにその1年前にはナショナルチームにエントリーしなければいけません。最終目標であるオリンピックに向けてスケジュールを逆算して、自分がすべきことをはっきりさせていく感じです。
また、オリンピックレベルの選手に少しでも早く追いつくために今一番強化したいのが、一発で技を決める「決定力」を高めること。そのためにも、日々の練習から「絶対に失敗しないこと」を徹底することで、ジャンプの精度を高めています。
――将来、どんなスノーボーダーになりたいですか?
颯飛選手:目指しているのは、「かっこいいスノーボーダー」です。僕にとって、スノーボードは自分を表現するもの。自分にしかできない滑りで、見た人をプレイだけで感動させられる選手になりたいです。
かっこいいと言っても、ただ単に技術力に優れているというだけではなく、性格だったり、スノーボードへの姿勢だったり……人間としての全てをひっくるめて「かっこいい」と思ってもらえたら一番いいなと思います。
リスクのあるスポーツだからこそ、本人のやる気を尊重する
――では、お母さまにお伺いします。颯飛君がスノーボードにのめり込む姿はどのように感じていますか?
お母さん:16歳でここまで熱中できるものに出会えたのは、本当に幸せなんじゃないかな、と感じています。スノーボードは危険な競技で、実際に左手と右足の骨折というケガにも直面しましたが、そんなリスクは本人も承知の上。本人にやる気がある限り、親は全力でサポートすべきだと思っています。
ただ、スノーボードだけで食べていくのは本当に狭き門です。一握りの選ばれた選手になるために努力を続ける一方で、本人には常に「自分がどんな存在でありたいか」ということを意識しながら、スノーボーダーとしてのキャリアを考えていってほしいですね。
――普段の颯飛君への接し方や、スランプに陥ったときのフォローなどはどうされていますか?
お母さん:私は競技の技術面など専門的な知識はありませんが、何かあったときに安心して話せる“居場所”でありたいと思っています。何か落ち込んでいる様子があれば、本人が言い出すまでじっくり待ちますね。親がいくら「がんばらないと!」と発破をかけても、本人のやる気がなければ意味がありませんから、親のモチベーションが前に出過ぎないように気を使っています。
大切なのは、とにかく本人がスノーボードを好きで楽しんでいること。そうした方向に持っていける環境を整えてあげて、子供の気持ちの微細な変化を感じ取れるように心がける。それが、アスリートの親にできることではないでしょうか。
――Dr.Senobiru(ドクターセノビル)を飲むようになって感じたことはありますか?
颯飛選手:飲み始めて10ヶ月ほどですが、疲れが溜まらなくなってきたように思います。これまではシーズン中に何日も滑り続けると、オフの日まで疲れが残ってしまうのが大きな課題でした。そのため、マッサージなども欠かせませんでしたが、いまはそれも不要になったほどです。
お母さん:普通のサプリは味がイマイチで、「飲みなさい」と声を掛けなければいけなかったのですが、セノビルは、「美味しいから」と言って颯飛が自分からどんどん飲んでくれるので、親子ともにストレスがないのも嬉しいです。
普段はペットボトルにセノビルを溶かして、好きなときにお水代わりに飲んでいますよ。これまで10種類ほどのサプリを試しましたが、ドクターセノビルが一番いいと思っています。
取材後記
アスリートとして、高い意識と明確な目標を持ちながら成長している颯飛選手。強いプレッシャーの中で、高度な技を成功させることが要求されるスノーボードでは、誰にも負けないメンタルと集中力、そして自信を身につけることが必要です。颯飛選手にとっては、「こうありたい」という自分の理想像に基づいた努力の積み重ねはもちろん、常に寄り添ってくれるお母さんの存在が大きいのかもしれません。
プロフィール
長澤颯飛(ながさわ・はやと)
2002年7月27日、東京都出身。4歳からスノーボードを始める。2014-15シーズン、スロープスタイル男子では史上最年少でプロ昇格。オリンピックでのメダル獲得を目指し、2016-2017シーズンから海外ツアーで活躍中。
【関連リンク】
長澤 颯飛選手丨チームセノビル