【バドミントン】原口倖歩選手のインタビューを公開しました
- 2020/06/09
- インタビュー
夢はオリンピックで金メダル!一番の理解者である監督とともに、世界へはばたくバドミントン選手に
鹿児島県いちき串木野市のジュニアバドミントンチーム「鹿児島飛翔バドミントンクラブ」に所属している、現在小学5年生の原口倖歩選手。小学4年生のシーズンには、「第15回ダイハツ鹿児島県小学生バドミントンシングルス大会」で優勝、「第20回ダイハツ全国小学生ABCバドミントン大会」で3位入賞、「第17回グローバルアリーナオープン小・中学生バドミントン大会」で小学5年生の部女子シングルス(一つ上の学年の部に出場)において優勝を果たされるなど、数多くの素晴らしい成績を残されました。
今回は、高い目標を持って毎日の練習に励む倖歩選手と、倖歩選手の母親であり鹿児島飛翔バドミントンクラブの監督でもある原口小巻さんに、昨シーズンの振り返りや普段の練習と食生活、母親として、指導者としての倖歩選手との関係性などについてオンラインでインタビューさせていただきました。
3才からバドミントンを始め、ずっと親子一緒に練習
――まずは、バドミントンを始めたきっかけから教えてください。
倖歩選手:お母さんがバドミントンをしていたところに付いていって、3才の頃から始めました。飛翔に所属したのも3才からです。
――監督はどんな経緯で鹿児島飛翔バドミントンクラブを立ち上げられたのですか?
原口監督:私は元々バドミントンをしていたんですが、東京で就職してからは7年ほどブランクがありました。鹿児島に帰ってきたときに、高校の後輩から「久しぶりにバドミントンしませんか?」と誘われて。倖歩が1才になった頃からバドミントンを始めたんです。久しぶりに打ち込む中で、「娘にもバドミントンをさせてみたいな。もしかしたら、私が成し遂げられなかった、全国や世界で活躍する選手になってくれるかもしれない」という気持ちが芽生えて、ジュニアクラブである鹿児島飛翔バドミントンクラブを立ち上げました。
――鹿児島飛翔バドミントンクラブではどんなことを目標としているか、教えてください。
原口監督:スポーツの世界なので、順位がつく以上は成績ももちろん大事です。ただ、同じくらい、周りから応援されるような魅力的なチームを作っていきたいと考えています。バドミントンをする中で、人間的に成長して感謝の気持ちを大事にできるようになってくれたらと思っています。
――倖歩選手は、どんなところにバドミントンの楽しさを感じますか?
倖歩選手:小学2年生くらいからは、試合で戦うことに楽しさを感じるようになりました。特に、試合中に競った展開になったとき、勝ち切ることができたら気持ちが強くなるところが面白いなと思います。
――原口監督は、バドミントンの醍醐味は何だと思いますか?
原口監督:個人スポーツなので、どれだけ練習をしたか、どれだけ努力したかがコートの中でのプレーに表れるところです。努力を続けることで粘れるようになったり、今まで打てなかったショットが打てるようになったりして、戦い方の幅が広がっていくところも面白いと感じます。
手を抜かず練習してきたから、メンタル面も成長
――小学4年生のシーズンを振り返ってみて、印象に残っている大会はありますか?
倖歩選手:一つは第20回ダイハツ全国小学生ABCバドミントン大会です。試合では相手のペースに巻き込まれてしまうところもあって、目指していた優勝はできず3位でした。ただ、全国大会ならではの緊張感の中で戦うことができてよかったです。もう一つは、2020年1月にタイであった「VICTOR PONSANA BADMINTON CHAMPIONSHIP」です。年上の選手とたくさん戦えたことと、海外の選手のショットのスピードの速さがとても印象に残っています。
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――ここ一年で、成長したと感じるのはどんなところですか?
倖歩選手:メンタル面です。試合で負けているとき、前までは「もう負けちゃうのかな」と弱気になっていたけれど、最近は点を離されても「まだ大丈夫」と思ってプレーできるようになりました。
――これからもっと頑張りたい課題はありますか?
倖歩選手:他の選手に比べて動きが遅いので、速いステップを練習したりたくさん走ったりすることで、改善していきたいです。
――監督から見て、倖歩選手の成長した点とこれからさらに努力してほしい点はどんなところですか?
原口監督:試合中に泣くこともなくなり、メンタル面はとても成長しました。きっと、普段の練習から自分を追い込んで、「これだけの練習をしてきたんだから、絶対やればできる」という強い気持ちで試合に臨めるようになったんでしょう。プレー面では、相手を横に揺さぶる動きができるようになってきたと思います。ラケットワークは上達してきているので、細かいステップを取り入れたフットワークが良くなれば、さらに強くなるだろうと期待しています。
――試合で勝つためには練習通りの力を出し切ることが大切ですが、そのために普段から選手たちにアドバイスしていることはありますか?
原口監督:試合で競ったときは、絶対に自分の弱みが出ます。自分が今まで手を抜いてきたことや自分を追い込め切れなかったことが明らかになるんです。そうならないためにも、「普段から妥協せず練習しよう」と言っています。あとは、「自分で考えてプレーしなさい」ということですね。コーチや監督は後ろからアドバイスをする役目ですが、試合でプレーするのは結局本人なので。だからこそ、普段から「コーチや監督の指導をよく聞いて、わからないことがあれば質問して、しっかりと理解して実践するように」と伝えています。
良い出会いや多様な経験が、選手たちの将来に繋がる
――普段どんなスケジュールで練習をしているのかを教えてください。
倖歩選手:16時半くらいまでに学校から帰ってきて、宿題をして、ごはんを食べて、家でできるトレーニングをしてから飛翔の練習に行きます。練習は、19時から22時ごろまでです。土曜や日曜は練習時間が長くなります。
――クラブの練習の中で、きついのはどんな練習ですか?
倖歩選手:1対1でやるパターン練習が一番きついです。体力的にもきついですし、相手に揺さぶられてたくさん動かされてしまうこともあるので、付いていくのが大変です。
――鹿児島飛翔バドミントンクラブの、練習メニューのこだわりを教えてください。
原口監督:反復練習が大切だと思っています。ただ、同じ練習ばかりをさせると、子どもたちは飽きてしまって集中力が落ちるんです。だから同じ目的に沿った練習でも、子どもたちからすると「新しい練習に取り組んでいる」と感じられるように、工夫して内容を変えています。あとは、臨機応変にメニューを組み立てるようにすることです。たとえば、体が疲れているときは運動量を落とす代わりに技術を鍛える練習にしたり、頭を使って考える練習を取り入れたり。子どもたちのコンディションを見ながら最適なメニューを選んでいます。
――練習時間の多い土日ならではの練習メニューはありますか?
原口監督:土曜日はウエイトトレーニングを取り入れています。昔は「小学生にウエイトはまだ早い」とよく言われていましたが、海外の選手は小さい頃から少し負荷を落とした形でウエイトに取り組んでいることを中国に行ったときに知って。世界で活躍できる選手を育てるには、世界のジュニアアスリートがしている練習を取り入れることが大事だなと思って始めました。また、日曜は、練習の最後の1時間から1時間半がっつり足を鍛える練習を取り入れています。一つのメニューをどれだけこなせたかや走った距離などはノートに記録させています。そうすることで、「今週はどれだけできたか」「先週と比べてどう変化したか」を振り返ってもらいやすいからです。
――新型コロナウイルスの影響で、体育館で練習できなかったときはどうしていましたか?
倖歩選手:家の近所を走ったり家の前でトレーニングをしたり、できる範囲で自主練をしていました。
原口監督:試合が中止になりクラブ活動自体もストップすると、どうしても気持ちが緩んだり、集中力が切れてしまったりします。そんな中でも、今できることをちゃんとしておくことが大切で。「体育館が使えなくてもできることはあるし、シャトルを打つだけがバドミントンの練習ではないよ」と伝えていました。何が自分に足りないのかを自分自身で気付いて取り組むことが大事なので、「これをやりなさい」とメニューを指定することはしませんでした。
――合宿も開催されていますよね。参加してみてどうでしたか?
倖歩選手:埼玉から来てくださる大高先生から教えてもらうのですが、普段の練習ではやったことのなかったノック練習やパターン練習にも取り組めていい経験になりました。
――鹿児島飛翔バドミントンクラブでは、合宿や海外遠征の機会もよく設けているようですが、それはどんな狙いからですか?
原口監督:「海外に行けるレベルだから行く」とか、「今の実力では足りないから、もう少しレベルアップしないと行けない」とかじゃなく、いつ、どこで、どういった出会いや経験をさせるかで、選手の未来が変わっていくと思うんです。だから、とにかくいいものをたくさん経験させて、高いレベルのプレーを自分の目で見てもらいたくて、今のためではなく、1年後や2年後、もっと先の将来のためにこうした機会を作っています。
――2019年6月からは図南木材株式会社様も、クラブのスポンサーに就任されていますね。
原口監督:私が飛翔を立ち上げる前にバドミントンを一緒にしていた、当時大学生だった子が、飛翔の練習を見に来て「一生懸命練習する子どもたちの力になりたい」と思ってくれて。ちょうど、その子の勤務先の図南木材株式会社様で、「会社の活性化のためにも、スポーツクラブを支援したい」という思いがあったそうで支援していただくことになりました。本当にいろんな方の支えや応援があってプレーできていると思います。
「体育館では厳しくする分、家では息抜きさせてやりたい」
――お母さんが監督を務めているチームに所属してよかったと思うことはありますか?
倖歩選手:近くで見て、教えててもらえることに安心しています。私のことをよくわかってくれているので、ぴったりの指導をしてもらっていると思います。練習では怒られることもあって怖いですが、家ではすごく優しいお母さんです。
――バドミントンで悩んだときには、監督に相談しますか?
倖歩選手:聞くときもあるけれど、まずは一人でやってみたり考えてみたりします。
――監督から、いつも言われていることはありますか?
倖歩選手:「挨拶をしっかりしなさい」、「こっちが挨拶をすることで、相手も元気で明るくなるから、挨拶は大事だよ」と言われます。
――娘さんが教え子ということで、ときには指導しづらいこともあるのではと思うのですがどうでしょうか?
原口監督:ありますね。我が子を教えるって難しいです。「体育館では監督で、家では母親だよ」と伝えていますが、まだ私を母親と思って指導を聞いているときもあるので。選手として伸びるために、もう少しメリハリを付けてほしいなと思います。私も以前は、まず先に我が子を叱ることが多かったんです。でも最近は、「ここ、できるようになってるじゃんん!」、「さっきのいいね!」、「これができるようになったら、もっといいよ!」などと、前向きな声掛けをするように心掛けています。
――娘さんを個人で指導されているわけではなく、多くのメンバーが所属しているクラブの監督として指導しているというところで、難しい場面もあると思います。
原口監督:「差別はしないけれど、区別はする」と決めていて。飛翔に所属するメンバーは、全国大会を目指す子、九州大会を目指す子、県大会を目指す子など目標がさまざまです。その子の目指すものによって、声掛けや指導の仕方も変えています。倖歩は、チームで一番と言っていいくらい高い目標を掲げているので、必然的に指導が厳しくなるんです。けれど、一番年下だし、厳しくされすぎてバドミントンを嫌いにならならないように、家庭では一緒にふざけたり笑ったりして息抜きさせるようにしています。バドミントンの話も、家では極力しません。
好き嫌いなく、三食しっかり栄養バランスの良い食事を摂ることも強さの秘訣
――食事は、どのタイミングで、どんなものを食べますか?
倖歩選手:朝ごはんは7時半ごろに白ご飯や玉子焼きなどを食べます。昼は12時ごろに給食を食べて、夜は練習に行く前の18時ごろに食べます。嫌いな食べ物はありません。
――日々の食事や栄養バランスで気を付けていることはありますか?
原口監督:とにかく、一食の中でできるだけ多品目の食材を食べられるように、副菜や小鉢を付けています。疲れが溜まりづらいように、1日1食は酢を使ったメニューを出していますね。倖歩は好き嫌いが無くて、酢の物、白和え、生のゴーヤなど何でも好んで食べてくれるところは助かっています。腸内環境が悪くなると体調も崩しやすいので、毎朝ヨーグルトを食べさせていて、2才からは毎日ヤクルトも飲ませています。寝る前には、必ず牛乳1杯も飲んでいますね。
――倖歩選手は小さい頃から好き嫌いが無かったんですか?
原口監督:はい。離乳食から徹底して栄養にこだわって食べさせていたのがよかったのかもしれません。
――練習がハードですが、どうやって疲れをとっていますか?
倖歩選手:練習から帰ったら、家でお母さんに全身のマッサージをしてもらっています。
原口監督:痛くなってからマッサージをする人も多いんですが、予防が大事だと思うんです。痛くなってからやるのでは遅いし、痛くなくなったからといってやめてもダメで。特に、膝・肘・肩・股関節・足首のマッサージは大事ですね。
「セノビルを飲み始めてから、身長が30センチくらい伸びた」
――DR.SENOBIRU(ドクターセノビル)は、いつから、どんなタイミングで飲んでいますか?
倖歩選手:小学2年生の頃から、毎日練習中にセノビルを水に溶かして飲んでいます。甘酸っぱいパイン味が好きです。
――飲んでみて、体の変化は感じますか?
倖歩選手:飲み始めてから身長が30センチくらい伸びて、今は150センチになりました。170〜180センチの身長が欲しいので、まだまだ伸びてほしいです。風邪も、あまりひかなくなりました。
――監督から見て、DR.SENOBIRU(ドクターセノビル)を飲み始めてから感じた変化はありますか?
原口監督:本当に身長がぐんぐん伸びていて、いろんな人に久しぶりに会うたび「大きくなったね!」と言われます。あとは、疲れにくくなりましたね。ハードな練習をするので、疲れないことは絶対無いと思うんですが、疲労回復のスピードが早くなったなと、練習での娘の動きを見ていても思います。
――DR.SENOBIRU(ドクターセノビル)のような成長期サプリメントに対してどのようなお考えをお持ちですか?
原口監督:口にするものなので、どういう成分が入っていてどんな効果があるものなのかをしっかりと理解した上で、子どもたちには勧めたいと思っています。セノビルは安心して飲ませられるし、利点しかないですね。もちろん、基本的には食べ物で栄養を摂取するのがベストですが、ハードな練習をしているジュニアアスリートはその分食事以外の何かで栄養を補わないといけないので。ドクターセノビルはその用途にすごく適していて、ありがたいです。
日本代表選手になって、オリンピックで金メダルを獲得したい
――今の目標を教えてください。
倖歩選手:去年負けてしまった相手に勝って全国大会で優勝して、ジュニアナショナルチームの代表に入りたいです。
――憧れの選手はいますか?
倖歩選手:奥原希望選手と山口茜選手です。奥原選手の粘りのプレーと、山口茜選手のスピードの速いプレーを尊敬しています。
――将来の夢を教えてください。
倖歩選手:日本代表選手になって、オリンピックに出場したいです。そして、オリンピックでは活躍して金メダルを獲りたいと思います。
――倖歩選手には、将来どのような大人に育ってほしいですか?
原口監督:人としては、礼儀正しく感謝の気持ちを大事にできる、人に優しく自分に厳しい大人になってほしいです。プレーヤーとしては、もちろんオリンピックで金メダルを獲れるような選手になってくれたら嬉しいですが、こちらが過度に期待しすぎて、背負わせるのはよくないと思っていて。倖歩の気持ちを一番大事にしたいです。倖歩が掲げる目標が私の目標で、倖歩が掲げる夢が私の夢なので。でも、倖歩から毎年目標を聞くんですが、まったくブレてなくて。高い目標をずっと持ち続けられているので、きちんと意識や行動にも移していければ、結果は付いてくるのではないかと期待しています。
取材後記
小学5年生ながら、自分の言葉で自分の考えを話してくれた倖歩選手。今の課題もしっかりと把握した上で、高い目標を掲げて、毎日妥協せずハードな練習に取り組む姿が印象的でした。好き嫌いせずバランス良く食べているというしっかりとした食生活も、倖歩選手の強さを支えているのでしょう。
そして、倖歩選手のそばで、倖歩選手のことを誰よりも考えて指導されている原口監督。「家ではとてもいい子なので、叱ることはほとんどないんですよ」と話されたときに母親としての顔が滲み出て、それを聞いて笑う倖歩選手との母娘関係の良さも伺い知ることができました。これからも二人三脚で夢を叶え、世界へはばたいてくれることでしょう。
プロフィール
原口倖歩(はらぐち・ゆきほ)
2009年12月8日生まれ。
バドミントン社会人選手として活躍した母親の原口小巻さんが立ち上げたジュニアバドミントンチーム「鹿児島飛翔バドミントンクラブ」で、3歳の時にバドミントンを始める。現在も鹿児島飛翔に所属し、監督を務める小巻さんの指導の元、練習に励む日々を送っている。
2017年度全国小学生ABCバドミントン大会(小学1~2年の部)では準優勝、2018年度鹿児島県小学生大会女子シングルス(4年生以下の部)で優勝、2019年には第20回ダイハツ全国小学生ABCバドミントン大会で3位入賞するなど、数々の大会で上位入賞を果たしている。
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原口 倖歩 選手丨チームセノビル
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