【野球】堂上昴輝選手のインタビューを公開しました
- 2019/05/22
- インタビュー
捕手として、打者として。攻守の要として成長を続ける
捕手で4番とチームでは攻守の要を担う、堂上昴輝(どううえいぶき)選手。野球を始めたのが小学4年生で、始まりとしては遅い部類。様々な失敗を乗り越えて、小学6年生では所属チームのキャプテンを担い、先日選抜されたジャイアンツカップではAチームに選ばれ、学年別の副キャプテンに指名されました。龍美さんも少年時代は野球に没頭していました。しかし、早々に辞めざるを得なくなり、龍美さんの夢は、昴輝選手に託されることになります。
野球を始めたのは小学4年から
――本日はよろしくお願いします。まず最初に、野球をはじめたきっかけを教えて頂けますか?
昴輝選手:小さい頃からお父さんとキャッチボールしたり、一緒に近所のバッティングセンターへ行っていたりしていたんですけど、そこで居合わせたコーチからチームに来ないかと誘われたことがきっかけで、野球を本格的に始めました。
――野球をはじめた当初、昴輝選手に野球選手になって欲しいという期待はありましたか?
龍美さん:こればっかりは本人の意識によるものです。野球を始めさせるのも遅かったです。みんな、小学校に入ってからチームに入る中、昴輝は小学4年生で始めましたから。ただ、チームに入った時に困らない程度、ボールを投げることや打つことは身に付けさせていました。
――小学4年生で野球を始めた時の状況はどうでしたか?
昴輝選手:お父さんとはキャッチボールなど基本しかしていなかったので、走塁の詳しいルールとかがわからなくて、暴走することもありました。
――小学4年生で野球を始めることは遅いですよね?
龍美さん:遅いですね。野球のルールは言葉だけで説明するのが難しいです。それなりの人数がいないと厳しいですから。アウトの数、ランナーの数によってやることが変わっていきます。1試合のなかで、同じシーンというのがほとんど無くて、何百通りとあるところを、机上で教えるのは難しい部分もあります。
――昴輝選手はルールをどのように覚えたのでしょうか?
昴輝選手:自分からコーチに色々質問することや、お父さんが買ってくれたルール本を読んで覚えました。まだ覚えきれていない所もありますけど(笑)。
龍美さん:細かい部分まで覚えるとなると、永遠の課題ですね。私は審判もしていますが、毎年ルールが変わっているので、毎年学ばないといけないですから。
――昴輝選手はなぜ捕手を希望したのでしょうか?
昴輝選手:チームに入ったばかりの時に、テレビで巨人の試合を見る機会があって、小林誠司選手が捕手をしているところを見て、キャッチングやスローイングが上手ですごいなと思って、小林選手に憧れて捕手を始めました。捕手とピッチャー、バッターはテレビによく映っていて、その時ピッチャーにはあまり興味がありませんでした。捕手を見ていて、格好いいなと思いました。
――どんな捕手を目指したいですか?
昴輝選手:小林選手のようにスローイングも上手で、バッターに対してどこに投げれば打てないとか考えるなど、捕手の仕事を何でもできるようにしたいです。
――初めて捕手をしたとき、難しいと思いませんでしたか?
昴輝選手:捕手を始めた頃は、座って捕るだけと思っていました。コーチから、どこに投げれば打てないかを教えてもらっていました。思った以上に頭を使うことを、始めてからわかりました。でも、捕手で頑張る決意は変わりませんでした。
――バッティングは好きですか?
昴輝選手:はい、好きです。何アウト、ランナーがどこにいるかによって、どこに打てばよいかも変わってくるので、そういうところを自分で考えて打つこと、ホームランやヒットを打つことでランナーを返すことができた時は一番うれしいです。守備でもセカンドであれば、ベース寄りに守っていれば、そこに強い打球を打つことを考えてやれると、更に面白くなってきます。
練習の仕方、中学野球になって変わること
――個人練習で一番力を入れているところはどんなことでしょうか?
昴輝選手:捕手のことが全然できていませんが、ステップの仕方、バッターでは腕と下半身の使い方を探しながら素振りをしています。トップの使い方も前はできていましたが、練習できていなくて、またできるようにしないといけないです。
一年で身長も伸びたので、力も変わってきます。自分が力を出しやすいフォームのポイントを探している最中です。
――力を一番出しやすいところを探すというのは究極の目標ですね。
昴輝選手:これが終わりというのは無いと思っています。これを良くするためには、どうすればよいかをずっと考えています。
――チームで重点的にしている練習はありますか?
昴輝選手:全体的に上達できるように、考えてやってくれています。バックホームで、捕手がどの角度に入ってタッチをすればよいかなどを練習しています。
――これまで出場した試合で一番印象に残っていることを教えていただけますか?
昴輝選手:小学6年生の春に行われたYBBL(横浜市小学生野球連盟)という大会の予選で負けてしまいました。その後、第2代表決定戦の予選でも負けました。その時、キャプテンとしても、捕手、バッターとしても全然だめだなと自分で気づきました。試合の途中で、ホームランは打てましたが、その前の打席ではランナー3塁という得点のチャンスで凡退に終わり、ホームランもたまたま当たったという感じでした。
龍美さん:その試合は、最終回3点ビハインドで、ランナー一・二塁から昴輝がスリーランホームランを打って同点になりましたが、その裏にサヨナラエラーで敗れまして、かなりドラマチックな展開で試合は終わりました。横浜市の大会ではありますが、相手のチームは隣のチームで、いつもライバルとして競い合ってきました。あの時は、我々スタッフもショックが大きかったですね。
――試合に臨む上で意識している点はありますか?
昴輝選手:まずは試合に勝つことです。そして捕手なので、どう組み立てればよいかを考えています。中学生になり、小学生の頃とは違う野球になるので、もっと体を大きくしないといけないし、中学生の野球に慣れるよう意識しています。
――相手チームのノックをしている時、どこを見ていますか?
昴輝選手:相手チームの監督さんがノックした方向の守備位置ですね。選手の肩や守備範囲がどうなのかを見ています。
――現在の所属チームでジャイアンツカップの試合に向けてAチームに選抜されたそうですが、意気込みをお聞かせください。
昴輝選手:チームにとって大事な大会の一つであるAチームに選ばれたことで、試合で結果を残さないといけないなど、自分でも緊張して気が引き締まる思いです。そして、学年別で副キャプテンを任されることになりました。昨年も、少年野球でキャプテンをしていたので、キャプテンがやらないといけないことはわかっていますので、今年のキャプテンをサポートできるようにしていきたいです。
――キャプテンをする上で難しさはありますか?
昴輝選手:選手が指示を聞かない時にどのようにまとめるのか、どのような発言をすればよいかが難しいですね。以前、整理整頓ができていない時に、やさしく直すように言っていました。それではいけないと思い、その部分を強調して話すようにしています。試合でも集中できていない選手がいれば、ベンチに戻った時に声をかけたりしています。
とにかく身体を大きくしなければいけない
――昴輝選手の食生活についてはどのように考えていますか?
龍美さん:とにかく、体を大きくしなければいけないですね。体の大きさについて、遺伝子的に限界なのか、その過程で、成長期がどのタイミングなのか、成長期が来るにあたって間に合っているのか、すごく大事だと思っています。実際に、限界のところまで身長が伸びていない人もかなりの確率でいますので、昴輝にはそこまで伸ばしてやりたいなと思っています。スポーツによって違うと思いますが、野球で言えば、身長-100ぐらいの体重がないといけないと考えています。横に蓄えがないと、上にはいかない。食べる量と内容も配慮しています。
――実際にどれぐらい食べていますか?
龍美さん:平日は、学校の昼食とは別に、お米4合。土日になると、8合食べています。それでも、なかなか太らないですね。少し減らすと、確実に土日で痩せてしまいます。土日で平日の食事量だと3キロは痩せます。食べる順番も決めています。
昴輝選手:元々食べる事は好きでしたが、1日8合は最初の頃慣れていなくて、食べてから練習再開すると気持ち悪くなることもありました。
龍美さん:(昴輝選手は)身体が大きくなって良いねと色んな方から言われますが、基本的には太らないですね。
昴輝選手:体が大きくならない事に関しては、それほど気にしていません。どんどん食べていれば大きくなると信じています。
――現在の体型についてはどう思っていますか?
昴輝選手:今はチームの中でも大きい方ですが、みんなもどんどん大きくなるので、そこには負けないように、もっと身長を伸ばして、身体を大きくしていきたいです。
食べても筋肉が付くように、腹筋やスクワットを中心にトレーニングをしています。
お父さんは野球少年、これまでコーチや審判の経験も
――龍美さんは子どもの頃から野球をされていたのですか?
龍美さん:はい、外野と投手をしていました。バッティングは苦手で、投げる方が好きでした。ボールは速かったですね。ただ、私は肘と肩を壊して、中学卒業時に野球を辞めました。昴輝と野球をするときは、利き手を変えてやっています。当時は、小学生でも変化球を投げて良かったのです。今みたいに、ケアとか全く意識がなくて投げるだけですよね。子どもながら「野球人生終わっても良い」と変な勘違いをして、本当に終わってしまいました。
――昴輝選手に日頃から気を配っているところはどんなことでしょうか?
龍美さん:やはり自分の経験を生かすためにも、身体のケアですね。ちょうど、ボールも軟式から硬式に変わって、バッティングにしても投げるにしてもポイントが変わります。ボールそのものも違って、練習量も桁違いに上がります。平日練習もありますので、自宅でするのは体を鍛える事よりもケアですね。入浴方法や睡眠もそうですが、一番気にしているのは、身体の可動域です。可動域を広げていかないと、ボールがうまく投げられないですし、バットも振れない。可動域が狭いままだと、怪我に繋がってしまいます。練習をたくさんするよりも、可動域を広げることをすれば上手になります。
――軟式から硬式にボールが変わったことによって違和感はありますか?
昴輝選手:雨が止んだ後のグラウンドで練習すると、ボールが重くなりますけど、軟式のころとは全然違いますね。
龍美さん:幸い、所属するチームの指導者が素晴らしい方ばかりなので、そのあたりは徹底してやってくださっています。
――龍美さんは審判もされているとのことですが、目線は変わりますか?
龍美さん:スタッフとしてベンチに座っているとき、スタンドで観戦している場合とは変わりますね。審判はある意味プレーヤーです。試合に集中しないといけないので、自分の子どものことを見ている暇はありません。試合を楽しむことも出来ないです。
――審判の経験から、昴輝選手へアドバイスできたことはありますか?
龍美さん:ありますね。本人のプレーというよりも、審判を経験してきた中で、ジャッジがしづらいプレー、極端なことを言えば、アウトなのかセーフなのか、複数の審判で見た時にジャッジが分かれるような場合、選手の姿勢が大きく判定に作用します。普段から、グラウンド内での立ち振る舞い、顔つきも重要です。態度が悪い選手は、あまり良い印象を持たれないです。
――昴輝選手から悩みなどを受けることはありますか?
龍美さん:小学校の時、私がスタッフでベンチに入っているとき、お父さんなのかコーチなのか、立場的に難しいところがありました。プライベートでも引きずることがありまして、なかなか言い出せないということもあったと思います。現在、私はスタッフを外れていまして、練習が終わってから、昴輝を迎えに行った帰りの車中で、いろんな悩みを聞きます。ここ最近のことです。
昴輝選手:コーチが言ったことに対して納得できない時はどうしたらいいかとか、相談しますね。
――「父親」と「コーチ」の使い分けはどうされていましたか?
龍美さん:本当に難しいですよね。コーチであるときは、当然自分の子どもに甘くはできないですし、厳しくしてもいけない。良くも悪くも特別扱いはできない状況です。
――コーチを外れたからこそ、試合の振り返りをできるようになりました?
龍美さん:はい、冷静に振り返りはできるようになりました。悪かったことよりも、良かったことに注目しています。なぜ悪かったかではなくて、なぜ良かったのかを覚えておきなさいと話します。なぜ良かったのか、その理由を細かく突き詰めていくことが大事です。ヒントを与えながら、考えさせています。
――良かった時のバッティングは覚えていますか?
昴輝選手:すぐに忘れてしまうこともありますが、自分で納得した時は覚えていて、次の打席でもできるようにしています。納得できる打席もだんだん増えています。
――負けた試合でもお父さんとコミュニケーションを図りながら改善できていますか?
昴輝選手:ダメなことを聞いたりして、一つ一つクリアしていきました。それがあっての今だと思います。
――今後の目標を教えてください。
昴輝選手:所属するチームのAチームに上がる事。Aチームの大会に出場して、結果を残すことです。3年生になれば、全国大会に出場して優勝することです。その後は、強豪の高校に進学したいですね。できれば横浜高校に行きたいです。その後大学で勝負して、プロの道に進めればと思います。ポジションは捕手で、打者としてクリーンアップを打つことが理想です。巨人の阿部慎之助選手みたいなバッターになりたいです。
――昴輝選手にはどんな選手、人間になってほしいですか?
龍美さん:野球を職業とする以前に、野球を通じて人間として成長してほしいですね。次に、一日でも長く野球を続けて欲しい。高校、大学までは野球をしてほしいですね。
――龍美さんが早く野球を辞めざるを得なかったことで昴輝選手に託しているところでしょうか?
龍美さん:それを言ってしまいますと、彼にプレッシャーを与えることになりますので、言いませんが、実際はあります。本人がやる気であれば、フォローは惜しまないので、行けるところまでは行ってほしいですね。
DR.SENOBIRU(ドクターセノビル)について
――DR.SENOBIRU(ドクターセノビル)を飲まれてからどれくらいになりますか?
龍美さん:まもなく一年になります。
昴輝選手:おいしいですね。グレープフルーツ味が好きです。
――飲み続けられるコツはありますか?
昴輝選手:セノビルを飲み始めた頃は、言われないと飲んでいませんでしたが、意識するようになってからは自然と自分から飲むようになりました。
――ここ1年で身長はどれくらい伸びていますか?
龍美さん:成長期に入ったのかものすごい勢いで伸びています。1年で言えば、11cm伸びました。ただ、伸び始めてから2か月ぐらいは、そんなに効果は無かったので、10か月で11cm伸びたことになりますね。直近は、伸び率のカーブが大きくなってきました。
――体格が良くなっていることで、バッティングや遠投には良い影響をもたらしていますか?
昴輝選手:だんだん身体を使えるようになってきて、遠投で届かなかった距離も届くようになってきました。バッティングでも飛距離は感じませんでしたが、レフトオーバーのヒットを打つことが出来ました。
――DR.SENOBIRU(ドクターセノビル)が国際基準でのアンチ・ドーピング認証を受けていることについて感想をお聞かせください。
龍美さん:中学生や高校生は、サプリやプロテインに興味を持っています。身体を大きくしたいという目的で試しますが、アンチ・ドーピングまでの意識は無くて、飲む側もそうですが、企業側にもそういった意識が薄いのかなと思います。成長期向けのサプリを出しているセノビルさんが、この段階で意識をしてアンチ・ドーピングの認証を取っているというのは、企業の姿勢として素晴らしいなと思います。
取材後記
夢は「プロ入り」で、目指すバッターは「阿部慎之助選手(巨人)」と答える昴輝選手。昴輝選手が小学6年生まで在籍していたジュニアチームで、父・龍美さんはスタッフとして関わっており、現在はアンパイアとしても試合を見届けています。様々な立場から昴輝選手を見つめ、試合が終わると良かった部分をピックアップして、なぜ良かったのかを親子で追求しています。出来たところをしっかり見つめれば、昴輝選手も前向きに野球ができるのでしょう。夢に向けて、これからも困難が待ち受けていると思いますが、良いところを伸ばすという目線で乗り越えて、夢の実現を願うばかりです。
プロフィール
堂上昴輝(どううえ・いぶき)
2006年7月3日生まれ 神奈川県出身
小学4年生の時に父・龍美さんに誘われて野球を始める。体格を生かしたバッティングが持ち味でポジションは捕手。小学校時代に所属していた富岡オールスターズではキャプテンを務め、現在所属するチームでは、ジャイアンツカップの出場メンバーとなるAチームに名を連ねる。学年別副キャプテンにも任命され、これからの野球界を捕手として成長が期待できる。
関連リンク
堂上 昴輝選手丨チームセノビル