―第5回「試合シーズン、追い込みに耐えられる体へ。実は○○が超重要!」
- 2025/12/23

秋の試合シーズン、練習もいよいよ追い込みに入り、「今のコンディション、大丈夫かな?」と感じている選手も多いはず。
今回は、試合シーズンを戦い抜くために欠かせない“体の回復”にフォーカス。
日々多くのアスリートと向き合っているきたさんが、追い込み期のコンディションづくりについてわかりやすくお話ししています。

記録会や全国大会など大切な試合が続く秋シーズン。
いよいよ記録を出すために追い込みもラストスパートをかけている選手も多いのではないでしょうか?
そんな中、「練習の翌朝体が重い…筋肉痛がきつすぎて練習をこなせない…」
といった体の悲鳴を感じていませんか?
実はその症状「タンパク質不足」が原因かもしれません。
前回のコラムで紹介したビタミンCやEは、体を酸化ストレスから守る“守備”の栄養素。
果物や種実類に多く含まれていましたね。
今回の主役は、壊れた筋肉を修復し、パフォーマンスを立て直す“攻め”の栄養素【タンパク質】です。
―リカバリーの中心にある「タンパク質」―

私たちの筋肉、血液、ホルモン、免疫細胞、爪や髪まで、全てタンパク質で構成されています。
一般的に筋肉を作るためにたんぱく質が必要であることは広く知れ渡っていますね。
その中で特に練習量の多くなり、夏の疲労の影響を受けやすいこの時期、練習後の体の中では自覚しづらい細かなダメージを受け、炎症を起こしています。
その修復作業に欠かせないのが、タンパク質。
体が炎症を起こしている間はタンパク質の必要量が増えます。
タンパク質が不足すると筋分解が起こり、筋肉量の減少や疲労が抜けづらい、免疫力が落ちて風邪を引きやすいなどの症状が出やすくなります。
特に女子アスリートは、月経による鉄不足が起きやすく、鉄とたんぱく質はセットで酸素を体の中に供給しています。
いくら鉄だけを補給しても土台となるタンパク質が不足すると鉄不足の改善は望めません。
そのため、タンパク質の「量」と「タイミング」が非常に重要です。
―どれくらい必要なの?―

運動強度や競技によっても変わりますが、体重維持において女子アスリートの場合、体重1kgあたり1.3~1.7g/日のタンパク量が目安となります。
例えば 50kgなら1日にタンパク質が65~85gが必要。
たんぱく質は1回に吸収できる上限量があるため、 一度にまとめてではなく、3食+間食でこまめに分けて摂ることがポイントです。
【例】約75~80g
・朝:卵1個+納豆1パック+豆腐味噌汁→タンパク質15g
・昼:鶏むね100g+ツナサラダ→タンパク質25g
・練習前:そぼろおにぎり →タンパク質5g
・練習後:プロテイン1杯→タンパク質15~20g
・夜:鮭+豆腐+ひじき→タンパク質20g
たんぱく質には「動物性」「植物性」の2種類があり、組み合わせることでよりたんぱく質の中のアミノ酸をよりバランスよく摂ることができ、リカバリーに効果的です。
卵や肉魚類に含まれる動物性のたんぱく質は、吸収率が高く筋分解が起きている運動後に摂ることで即効性があります。
一方で納豆などの豆製品に多く含まれる植物性のタンパク質は、吸収が緩やかで腹持ちが良いです。
動物性の食品に比べて脂質が少ないため、減量中など脂質を控えている選手にとっても安心して食べることができるタンパク質ですね。
特に運動後30分以内は筋分解が起きているため、このゴールデンタイムにどちらかのタンパク質を入れることで、トレーニングや運動の成果を最大限体に還元することが期待できます。
―女子アスリートに多い“タンパク質不足”のサイン―

女子アスリートの中でよく陥りがちな例として、「太るのが怖いからお肉は少しだけ」といった声をよく聞きます。
確かにお肉には脂質も入っている一方で必要なエネルギー量を摂れていないと、体の中で危険信号が発動し、体が省エネモードに入ります。
そうすると、代謝が下がり 筋肉を作る材料が足りないため、どれだけ練習しても体が思うように反応してくれません。
体重や軽さを優先して、むしろ筋肉ばかり落ちてしまうといった空回りが起きないようしっかり必要な量を食べて動ける体を目指しましょう。
お肉魚も脂質の少ないむね肉も塩こうじで下味をつけるなど、調理方法によって美味しく食べることもできます。
まずは自分に必要なタンパク量が足りているのか?
確認して、すぐ行動に移していきましょう!
参考レシピ:鶏むね肉とアボカドの塩麹アスリートボウル

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